第10話 信玄のかくし湯 川浦温泉 みとみ笛吹の湯 まな板の上の恋
みとみ笛吹の湯
乙女湖から川浦温泉へ。村営の日帰り温泉施設 笛吹の湯に立ち寄りました。
施設の質は多少落ちますし、景色が良い訳でもありません。ですが、アットホームな雰囲気で値段も安い。
学校の跡地に温泉施設を作ったようです。露天の目の前がグラウンド。露天の壁枠は鉄骨。少し学校の面影が残ります。
入浴していると僅かですが泡が身体にまとわり付きます。広くて清潔感のある、ぬる湯の露天が目当てです。
基本情報
休憩室への飲食物の持ち込みは自由。カップ麺は売ってます。周りにお店はないので、何か買ってきた方がよい。
内湯・露天
内湯は2槽に分かれていますが、温度差は感じません。42℃より少しぬるい。そこそこの広さで洗い場が6ヶ所。
内湯2槽分よりも広い露天。温度は体感38℃くらいのぬる湯で居心地が良い。透明素材の半屋根があります。
屋根下は明暗が分かるレベルの日陰はできます。ですが日焼けを嫌う方は、タオルで顔を隠すなどが無難。
まな板の上の恋
この日は、ずっと露天に入っていました。途中から雨も降ってきましたが、屋根の下にいたのでほぼ影響なし。
雨が降り出した時は、僕の他に年配の方が2人だけ。たぶん地元の方だと思います。
ひとりの方は雨の中でコックリコックリ。もうひとりの方は顔を上に向けたまま、微動だにせず。
せっかく温泉に入っているのに、頭と顔がずぶ濡れになっていますよ?
風林火山 動かざること山の如し
温泉なんだし雨だとか? 細かいことは気にするなよ と言わんばかりの雑な男っぽさ。
いっぽうで、子供の様に無防備な隙だらけの入浴姿は、はたから見ててもカッコ良くは見えません。
でも、あまりにもむき出しの直球すぎる人間臭さが、心の隙間に深く沁み入る、昼下がりのお湯でした。
お疲れ様です
ゆっくりしてって下さいね
時に完璧な人間よりも少し隙がある人の方が、かえって人に好かれたり、愛されたりするものですよね。
憎むに憎めない、大人の男の可愛いらしさ
不意に心の隙を突かれると、味わいある餌に惹かれて釣り上げられた、まな板の上の鯉 のように
意図せず心奪われることなど
それもひとえに恋なのかもしれませんね。
恋五郎(こごろう)
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